令和2年1月30日(木曜日)に吉都線シンポジウムを小林市文化会館で開催いたしました。平日のお昼にも関わらず、280名もの参加をいただきました。
はじめに、吉都線特別応援大使の大野勇太さんにオープニングアクトとして、「吉都線~夢を乗せて~」など3曲を披露いただきました。
基調講演では、いすみ鉄道前社長の鳥塚亮さんから「ローカル線から地域を元気に!」というテーマで講演いただき、沢山の気づきをいただきました。以下、一例を掲載いたします。
●「最近はローカル線がいいですねという時代になり、都会の方にとって大変イメージが良い。視聴率も上がるため、テレビに取り上げられやすい。」
●「乗って残そうというスローガンだけで残ったローカル線はない。」
●「地域事業者・行政・地域住民が三位一体となっているところは成功する。自分たちのことは自分たちでするのだという自立型の地域おこしが必要。いすみ鉄道は、草刈りや高校生のイベント列車など自然と活動してもらっている。」
●「外からお客さんを連れてくるために、乗ることそのものを目的にする仕掛けが必要である。お金をかけずに何かやりたいと考え、シールを貼っただけのムーミン列車に取り組んだ。」
●「昔と異なり、今は非日常体験ができれば旅行である。写真を撮り、SNSで発信できればよい。」
●「日本の田舎は今あるものをどう生かしていくかが重要である。いすみ鉄道がやったように日本の田舎は可能性がある。」
●「鉄道が赤字だ黒字だというのは数字の費用的便益しかない。もっと鉄道が持つ社会的な便益に目を向けるべき」
●「残したいというスタートは、まずは郷土愛。」
●「吉都線沿線はコンテンツの宝庫ではないか。吉都線を上手に使って頑張っていただきたい。」
基調講演の後には、MRT宮崎放送の田代アナウンサーをコーディネーターに迎え、基調講演講師の鳥塚さん、ローカルジャーナリストの田中輝美さん、地元小林市で様々な鉄道イベントを実施することで地域おこしに取り組んでいる吉村秀昭さん、JR九州鹿児島支社副支社長の吉住信哉さん、JR吉都線沿線自治体で構成される協議会の会長であるえびの市の村岡市長をパネリストとしてパネルディスカッションを「JR吉都線の未来に向けて」というテーマで実施いたしました。
パネルディスカッションでは、ローカル線について、地域住民・JR・行政は運命共同体ではないかという問題提起がなされ、パネリストのそれぞれの立場から提言がありました。特に、今ある資源の中で、JR吉都線の列車に乗りたくなるような観光路線化が今後求められており、JR吉都線沿線でも新しい取組としてサイクルロゲイニングイベントで、列車をチャーターして、そのまま自転車を車内に持ち込めるような新しい取組が、JR・地域団体・行政の協力により実施されることが報告されました。
当日は、平日のお忙しい中にも関わらず沢山の方にご来場いただきまして心からお礼致します。